イベント/恐竜展
7/17~9/12『Sony presents DinoScience 恐竜科学博 ララミディア大陸の恐竜物語』
7/17(土)『Sony presents DinoScience 恐竜科学博~ララミディア大陸の恐竜物語~2021@YOKOHAMA』が無事開幕しました!
最初のきっかけは、Sonyグループの方から「恐竜くんのやりたいことは何ですか?それを一緒に形にしましょう!」とお声掛けいただいたことでした。
それから何度も話し合いを重ね、様々な案が浮かぶ中で、最終的に、「科学の楽しさ」と「生き物としての恐竜」を全身で感じてもらえるような、全く新しい恐竜展を作りたいと提案をしました。
その理念に共鳴してくれた、たくさんの方々の才能と熱意が結集して、過去の展示とは一線を画す、本当に素晴らしい恐竜展を作り上げることができました。
以下は、恐竜科学博の冒頭に掲示した挨拶文です。何かと難しい状況下ではありますが、非常に丁寧な感染対策も行われていますので、ぜひ一人でも多くの方に足を運んでいただけたら幸いです。
【私が恐竜科学博を企画した理由】
私が最初に体験した恐竜博は、8歳の時。そこで見た、カナダ・アルバータ州の恐竜たちの壮大な世界に打ちのめされた私は、すぐさま「自分は将来カナダで恐竜の勉強をする!」と宣言するようになりました。その後も恐竜への思いは薄れることなく、高校生の時にカナダへ留学。アルバータ州の大学で古生物学を学び、今の「恐竜くん」としての活動に至ります。8歳の時に感じたあのワクワクが、まさに、一人の人間の人生を変えてしまったのです。かつて受け手だった私が、今度は送り手として、あのワクワクを届けたい。その答えが、この「Sony presents DinoScience 恐竜科学博 ~ララミディア大陸の恐竜物語~」です。
本展の主役は、「レイン」の愛称でよばれるトリケラトプスです。これまで発見された中で最も完全な骨格で、しかも、その体を覆う皮膚の大部分が保存された、驚異的な化石です。
一つの生き物が化石となり、何千万年も失われずに残り続け、たまたま今この時代に顔を出して、発見される。その確率は、一体どれほどのものでしょうか?実際、地球上に存在した生き物の大半は、痕跡すら残さずに消えていったはずです。
かつて生きていた一匹のトリケラトプスが、6600万年の時を超え、こんなにも美しい形で今私たちの目の前に在る。それは、「奇跡」という言葉でさえ表現しきれない、想像を絶するほどの偶然と幸運が折り重なった結果なのです。
すでに失われた世界と、絶滅した生き物たちの姿を、私たちはけして見ることができません。100%の正解には、誰もたどり着けないかもしれない。だからこそ、本当の姿に一歩でも近づきたい――その探求に、生涯を捧げてきた大勢の人々がいます。彼らが少しずつ積み重ね、脈々と受け継がれてきた研究の成果。さらなる発見と新たな技術や視点が加わることで、今この瞬間にも、私たちの知見は着実に更新され続けています。科学は今、どこまで恐竜たちの世界に近づくことができたのでしょうか。
本展では、恐竜全体を網羅して俯瞰する形ではなく、レイン―すなわちトリケラトプスの生きた世界をテーマにしました。あえて、白亜紀最末期の「ララミディア大陸」という、ごく限られた時代・地域に焦点を絞ることで、「環境・生態系の中の一員としての恐竜」の実態を、徹底的に掘り下げています。彼らはどのような世界で、どのような生き物たちと生き、どのような光景を見ていたのか。恐竜たちの息遣いを感じ、彼らを取り巻く世界に、思いを馳せてみてください。生きた恐竜たちは、どこまでも優雅で美しく、壮大な生き物であったはずです。
この世界には、私たちの想像をはるかに超えるものや、途方もない謎が、まだまだ眠っています。地球が誕生してから現在までの、膨大な時間。激しく、絶えず変貌し続ける世界と、そこを埋め尽くす多様で複雑な生物を生み出し続ける、生命の進化。その圧倒的なスケールの片鱗を、この「恐竜科学博」で感じていただければ幸いです。
恐竜くん(田中真士)
【DinoScience 恐竜科学博公式サイト】